『努力不要論――脳科学が解く! 「がんばってるのに報われない」と思ったら読む本』(書評・雑記)①
『努力不要論――脳科学が解く! 「がんばってるのに報われない」と思ったら読む本』の書評メモ。
本の概要
日本人って「努力」大好きだけど、それってちょっと違うくない?という内容。
本では「努力が不要」ではなく、正しくは、「努力は大切だけど、正しい努力が必要だよね」っていうことでした。
全体の評価
☆☆☆★★
理由:
①【微妙だったとこ】Amazonのワナにはまった
②【微妙だったとこ】自己啓発本>専門書
③【良いとこ】自己啓発本としてはいいかも
①【微妙だったとこ】Amazonのワナにはまった
最近、脳科学の本を読んで、興味をもったので、関係してそうな本を読みたいなと思っていた。
そんなときに、AmazonのKindleさんがこちらの本を紹介してくださった。
そしたら、②にもつながるけど、期待していた内容と違うかった・・・。
最初の数ページの試し読みではおもしろそうだったのだけど。これからはもうちょっと吟味してから買おうという教訓を得た。
※これは筆者のせいではない。
②【微妙だったとこ】自己啓発本>専門書
今回、私が期待していたのは、脳科学のデータを用いて論理的に努力は本当に必要なのかを示した本。
・・・が、実際は、中野信子さんという成功者による自己啓発本だった。
というのも、科学的な話はほとんど出てこない(特に中盤~後半)。筆者の経験による考え:科学的要素=7:3くらいか。
しかも、わたしがおバカさんなのかもしれないけど、筆者の書いていることにあまり説得力がないし、ところどころ主張がブレているように思う。
Amazonのレビューにも「エビデンス不足、思い込みの激しさ、認識が古い、自分の限られた範囲の理解での決めつけ、などなど、とても学者、しかもサイエンティストの著作とは思えません。」と書いてあったのだが、おおむね同意。
でも、これは私の下調べがなかったのが悪かった。筆者は脳科学者ではなく、タレントさんだった。経歴に研究機関の名前やドクターの学位があったから、すっかり研究者なのだと思っていた。
しかも、あとがきに「専門書でなくて、社会に問題を投げかけるような内容にしようと思って書いた」って書いてあった・・・。はじめにに書いてほしかった・・・。
③【良いとこ】自己啓発本としてはいいかも
とはいえ、この本は、自己啓発本としてはいいかもしれない。Amazonのレビューも低くないし、読んで励まされる人もいるんじゃないかな?
特に、「格差社会幻想論」にはいろいろ考させられたので、次回きちんと書きたいと思う。
▼続き。