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「内向的な人こそ強い人」(新潮社/ローリー・ヘルゴー)書評・雑記

内向的な人こそ強い人」(新潮社/ローリー・ヘルゴー)の書評メモ。

 

概要

心理学博士であり、心理カウンセラーでもある筆者が描く、「内向的」な人間の取扱説明書。

全米ベストセラーを2014年に翻訳した書籍で、買ったまま忘れてたことに気づき、今さらながら読んでみた。

 

ちなみに、結構ながくて、2章以降は、興味のある章しか読んでない…(すみません)。

アメリカ社会で内向的人間が如何に虐げられてきたか、内向型人間の取り扱い説明、苦手な場面の対処方法等がよく分かる。

アメリカ社会の対比として、日本と北欧社会が取り上げられてるのがちょっと嬉しい。

 

全体の評価

☆☆☆★★

理由:

①【微妙なところ】長い割に内容がない

②【微妙なところ】科学的な事実なのか、単なる筆者の思想なのか、区別がつかない

③【良かったところ】内向的な人間は励まされる

 

 

①【微妙なところ】長い割に内容がない

この本、長いです。長い割に、収穫がなかった。

でも、収穫がないと感じたのは、日本社会とアメリカ社会の違いゆえかもしれない。

 

例えば、本書で語られるほど、日本社会では「内向性」に対する誤解はない。「内向的な人がマイノリティというのは誤解で、アメリカでは人口の半分が内向型!」という主張があったが、日本社会で育った私的には、「いや、世の中って普通に内向的な人の方が多くね?」となってしまった。

 

また、そんなシチュエーションある?と感じてしまった事例も多々。「子ども時代、内向的であるがゆえに、こうディスられて~」みたいな記述も、あんまり共感できなかった。

 

たぶん、日本社会ではアメリカ社会ほど、内向性に対する誤解ってないんだと思う。というのもあり、導入部分で共感できるポイントが少なく、少ししらけてしまった。(そんで、第一部は2章までしか読めなかった…。)

 

②【微妙なところ】科学的な事実なのか、単なる筆者の思想なのか、区別がつかない

本のなかでは、内向的な人間の取扱説明書のような記述がたくさんある。私も内向的な人間として、めっちゃうなずきながら読んだ。

 

でも、それが科学的な事実なのかがよく分からなかった。専門的な心理テストや書籍が引用されている部分は、科学的な事実なんだと確信が持てたのだが、それ以外の部分(大半)、特に事例ベースで語られるところなんかは、どっちなのか分からなかった。

 

③【良かったところ】内向的な人間は励まされる

良かったところは、内向的で悩んでいる人は、励まされる部分や、抜け道・解決策を本の中から見いだせうる点かな。

私の場合は、本の第三部に記載していた、パーティからの逃げ方とか、仕事の選び方とかが参考になった。

例えば、パーティに参加するのがしんどければ、企画側に回って役割をもらえばよいというのは、大発見だった…(おい)。あとは、社内のコミュニケーションに関して、外交的な人と同じ方法をとる必要はないっていうこともなるほどだった。

 

◎まとめ:名前をつけると…

難しい話がなくて読みやすいし、内向的で悩んでいる人にとっては何か発見があるだろうけど、何とぞ分量が長いので、ちゃんと読むにはしんどい本。