Edu Memo

教育に関するあれこれ。忘れないようにメモ。

子どもを預けることに『罪悪感』を持つ母親の話

先日、JVPFさんの活動報告会で、「幼児教育」のテーブルであがった議論。

「母親は、子どもを預けることに罪悪感を持っている。どうすれば克服できるか?」

当日出た意見と、個人的に感じたことを書く。 

 

現場の声 

発達障害の早期療育施設の運営をしている「NPO法人発達わんぱく会」の方が言うには、

発達障害のある子どもの保護者さんを対象とした相談イベントを開催しても、誰も来ない

・理由は、保護者に「自分のために時間を取るなんて、何だか申し訳ない」という意識があること

・建前を「子どものためのイベント」にすると、保護者は参加するようになった。

 

私は子どもがいないが、周りを見ていて、その風潮は何となくわかる。子どもを預けて遊びに行った芸能人が、ネットで叩かれる現象がまさにそれだろう。 

でも実際、子育ては家族の力だけでできる簡単なものではない。もっと、親が地域(行政サービスなり、有料サービスなり)に頼っていいんだという風潮にしたいよね、という話になった。

 

素人なりに考えた策

じゃぁ、どうすれば一人で抱え込まずに地域に頼ろう!という風潮にできるのか?

色いろ意見はあがっていたが、要点は以下2点だった。

 

・「貸し借りの関係にしない」ことが親の気を楽にする。

500円でも払うことで、預けた先への「迷惑かけて申し訳ない」の気持ちが軽減される。(株式会社Asmamaさんなんかが実践済)

・SNSでよくある「キラキラ子育て」イメージをやぶるロールモデルを作る。

子育ては美しいもんじゃない!外の人にも頼っていい!というメッセージを、保育園などのオーゾリティが発信すれば、風潮も変わるのではないか。

 

誰に対しての罪悪感?

なるほどなーと思って聞いていたのだけど、1点だけ、欠けてたかな?と思った議論がある。

それは、保護者の「罪悪感」は誰に対してのものなのか?ということ。

 

上の2つの意見は、「預け先への罪悪感」を払しょくするものにはなるが、もうひとつ、違う罪悪感があるのではないかと感じた。

それは、「子どもへの罪悪感」。つまり、自分がそばにいてあげられなくて、子どもに申し訳ないという気持ち。その背景には、「子どもは外に預けられるより、自分の家で過ごす方が良いに決まっている」という価値観があるのだと思う。

 

でも、私は子どもへの罪悪感は、ほとんどのケースで持つ必要がないと思っている。なぜなら、子どもは様々な人と関わることで、社会性を磨くことができるし、幅広い語彙を習得することができる。様々な体験は、子どもの成長の肥やしになる。

そして、日本の家庭の80%以上は「機能不全家族」であると言われているように、家族はしばしば子どもにとって「害」にすらなるのだから、時に家庭から一定時間引き離すことは悪くないのではないかとすら思っている。。

 

私は、いつか「子どもを外に預けるということが価値あるもの」になればいいと考えている。「子どもを預ける」のではなく、「子どもを楽しいものに参加させる」にできたら、もう少し、お母さんお父さんも気が楽になるだろうし。 

2023年くらいには、そんな世の中が来るようにしたい。